『幼女戦記』は、若き兵士ターニャ・デグレチャフを描く作品である。彼女は、獰猛な非情さと常軌を逸した戦術的才覚によって「ラインの悪魔」の異名を取る。その無垢な外見の裏には、自称神・存在Xに異を唱えた末、魔法と近代戦が交錯する世界で少女として転生した男の魂が宿っている。自らの人生を覆した神的存在に抗うことを決意したターニャは、軍務に身を投じ、安定したキャリアを築くことで、自分にふさわしいはずの平穏な未来をつかみ取ろうとする。
帝国が苛烈な世界大戦へと深く巻き込まれていくなか、ターニャはその有能さと戦場での勘によって着実に昇進していく。同時に、彼女の戦果は帝国を人類有数の強大な勢力へと変えていく。野心、生存、そして執拗な宇宙的敵対者の間で揺れ動きながら、ターニャは政治、指揮、戦闘を切り抜けねばならない。存在Xは、彼女の勝利のたびに、それを次の意志の試練へと変えていくのである。