『魔女の旅々』は、物語を愛して育ち、とりわけお気に入りの本に収められた話、なかでも世界中を旅した著名な魔女ニケの冒険に強く魅了された少女・イレイナを描く。そうしたページに触れたイレイナは、自分の目で世界を見て、物語の中で味わったのと同じ驚きを体験したいと考えるようになる。彼女は魔女になることを志し、その道のりで幾多の試練を乗り越え、幼いころから追い求めてきた称号をついに手にする。
一人前の魔女となったイレイナは、長年夢見てきた旅へと出発する。訪れる先々で、さまざまな人生を送る人々と出会い、その話に耳を傾けながら、立ち寄るたびに新たな視点を得ていく。『魔女の旅々』は、まばゆくも奇妙で、ときに過酷でもある世界を巡る彼女の旅路を描くと同時に、町から町へと移るなかで彼女自身のものの見方が変化していくさまも映し出す。物語は、イレイナが遠い地を見つめ、忘れがたい印象を残す見知らぬ人々と出会い、旅の途中で触れた多くの人生を少しずつ理解していく過程を通して、驚きと哀愁を織り交ぜていく。