『あの夏で待ってる』では、ある不思議な夏の出会いが桐島海斗の平凡な日常を変えていく。ある夜、橋の上でカメラを試し撮りしていた海斗は、青い光が空を横切るのを目にした直後、欄干から吹き飛ばされる。意識を失う寸前、謎の手が差し伸べられ、彼を救い上げる。翌朝、海斗は無傷のまま自室に戻っているが、どうやって落下を免れたのか、そしてその夜に本当に何が起きたのかを思い出せない。
夏休みが始まると、海斗と友人たちは彼のカメラを使って一緒に映画を作ることを決める。ごく単純な学校課題として始まった企画は、やがて忘れがたいひと夏の中心となっていく。とりわけ、石垣哲郎が先輩の貴月イチカとその友人である山乃檸檬を誘って加わらせたことで、その流れはさらに強まる。グループで過ごす時間が増えるにつれ、映画制作を通じた共同作業は、ぎこちない感情や秘めた願い、そして互いに距離を縮めることで生じる緊張をあらわにしていく。夏の暖かな日々があっという間に過ぎていく中、海斗たちは、この企画が単なる映画以上のものになりつつあることに気づき、それぞれが自分の感情や相手に求めているものと向き合うことを迫られていく。