秋月大和は、高校進学のため広島の田舎から東京へ出てきて、鈴鹿で新生活を始める。住み込みの条件として、叔母といとこが営む銭湯と、その隣にある女子寮の手伝いをし、学年のあいだそこで暮らすことになる。親族に会いに向かう途中、地元の高校の陸上競技場に立ち寄った大和は、まれに見る集中力と正確さで走り高跳びの練習をする選手に、たちまち目を奪われる。
その選手こそ、同じ学校に通い、近所に住む陸上の有望選手、朝比奈涼風である。真面目で誇り高く、競技にすべてを捧げる涼風は、不器用で気ままな大和を苦手としており、二人は、近くに住んでいるからといって相性がよくなるわけではないことをすぐに思い知る。
涼風の心をつかみ、自分の力を証明したいと考えた大和は、短距離走に隠れた才能を見いだしたことをきっかけに陸上部へ入部する。厳しい練習やクラスメイト、そして寮のいつも酔っ払っている大学生たちとの日々のなかで、彼はより規律正しい走り手へ、そしてより頼れる存在へと成長していく。日を追うごとに大和はこれまで以上に自分を追い込み、上達と、涼風の隣に立つ機会を求めて走り続ける。