『少年メイド』は、「働かざる者食うべからず」をモットーとする母のもとで育った小学生・小宮千尋を主人公とする作品である。母の突然の死によって住む場所も身寄りも失った千尋の前に、裕福で軽薄な見知らぬ男が現れ、自分が長年疎遠だった叔父・鷹取円であることを明かす。千尋はすぐには彼を信用しようとしないが、円の豪邸を訪れた際、そこがほこりとごみに埋もれているのを目の当たりにして状況が変わる。散らかり放題の有様を見過ごせなかった千尋は、持ち前のきれい好きな性分から、すぐさま屋敷じゅうの掃除を始める。
この衝動的な片づけは、やがて千尋の新たな生活の始まりとなる。円は千尋を引き取ることを申し出て、千尋は家事を担い、給料を受け取り、さらに叔父の手作りによるフリル付きの制服をまとって屋敷のメイドとして働くことになる。鳳美耶子や篠崎桂一郎らも加わり、円の一風変わった暮らしはいっそうにぎやかなものとなっていく。軽快なコメディーと、血縁を超えて築かれる家族の温かな物語を織り交ぜながら、本作は千尋が新しい居場所に秩序をもたらし、そこで少しずつ温かな絆を育んでいく姿を描いている。