『殺戮の天使』は、封鎖された廃ビルを舞台とする作品である。13歳の少女レイチェル・ガードナーは、地下で目覚めるが、その瞳には生気がなく、胸にある願いはただ一つ、「死にたい」というものであった。自分がなぜ、どのようにしてそこへ連れてこられたのかも分からないまま、彼女は脱出の道を探し始める。しかしその建物では、各階がそれぞれ異なる殺人鬼に支配されていた。逃げ場を求める中で、レイチェルは同じ悪夢からの脱出を図る包帯姿の殺人鬼ザックことアイザック・フォスターと出会う。やがて二人は、ザックが彼女を地上まで連れていく代わりに、自由になったら彼が彼女を殺すという陰惨な約束を交わす。
レイチェルとザックは、建物を進みながら一階ずつ上を目指し、各階で新たなボスと対峙していく。上層で待ち受ける者たちはいずれも歪んで暴力的であり、しかもレイチェルのことを奇妙なほどよく知っている。その事実は、彼女とこの監獄のような場所との間に、より深い結び付きがあることを示唆している。不気味なまでに静かなレイチェルと、粗暴で短気なザックという相反する二人の不安定な共闘関係が、互いを必要とする関係性、壊れた倫理観、そしてそもそもなぜレイチェルがここに置かれたのかという謎を軸にした、息の詰まるようなサバイバル劇を形作っていく。果たして二人がそれぞれの願いを本当にかなえられるのかが、この脱出劇の核心となっている。