『サクラクエスト』は、地方の故郷を出て東京でより刺激的な生活を始めたくてたまらない、大学を卒業したばかりの吉野小春を中心に描く。長くもどかしい就職活動の末、彼女は、農業の町・真和山にある、すっかり寂れた小規模アトラクション「チュパカブラ王国」で女王役を務める、臨時のアルバイトのような話を引き受ける。ところが現地に着くと、小春は自分が有名人と取り違えられており、その仕事も手違いで持ちかけられたものだったと知る。しかし、ほかによりよい選択肢もないため、その役を引き受け、やがて町の観光協会で働くことになる。
小春が地元住民とともに真和山のイベントや企画を立てていくにつれ、『サクラクエスト』は、地域活性化、郷土への誇り、そして信頼を得るための地道な努力を描く物語となる。作品は、真和山の文化が持つ美しさと魅力を示しながら、変化が、その土地をすでに形づくっている伝統や絆を消すことなく、むしろ地域を強めうることを描いている。小春と町との結びつきが深まるにつれ、本シリーズは日常的なコメディと穏やかなドラマのバランスを取りながら、彼女が逃れたいと思っていたはずの生活こそが、最終的に生きる目的を見いだす場所かもしれないと気づいていく過程を描く。