『Paradise Kiss』は、学校からの帰り道にいた早坂紫が、金髪で逆立った髪型にトゲのついたチョーカーを身につけ、耳や顔に多数のピアスをした奇妙な男に声をかけられるところから始まる。驚いた紫は逃げ出すが、今度は目の周りに花の模様をあしらった、非常に背の高い美しい紫髪の女性にぶつかってしまう。衝撃で気を失った紫は、のちにアトリエと呼ばれる奇妙な場所で目を覚まし、そこでこの見知らぬ人々が名門・矢沢芸術学院のファッションデザイナーであり、学院で近く開かれるショーで自分たちのブランドのモデルを務めてほしいのだと知る。
紫はその申し出を拒んでアトリエを逃げ出すが、その際、本人も気づかないまま学生証を置き忘れてしまう。のちにデザイナーのリーダーであるジョージ・小泉がそれを見つけると、彼は直ちに紫こそ自分たちにとって理想のモデルだと確信し、欲しいものを手に入れるまで決して諦めないと決める。そして彼が欲しているのは、紫その人だった。それまでモデル業は紫にとって軽薄で空虚なものにすぎなかったが、アトリエに集う個性的なデザイナーたちとの出会いによって、彼女は芸術、野心、情熱の世界へ引き込まれていく。彼らと過ごす時間が増えるにつれ、紫は、この奇妙で新しい生活が刺激的なものになりうるのか、それともその過程で自分自身を見失ってしまうのかを選ばなければならなくなる。