『Nana』は、同じ名前を持ちながら、東京にそれぞれ異なる未来への希望を抱いてやって来る二人の若い女性を中心に描く作品である。小松奈々は、明るく人懐っこく、夢見がちなロマンチストだが、人を信じすぎるきらいがあり、恋愛は安定していない。頼りになる恋人・遠藤章司を手放したくない彼女は、彼を追って東京へ行き、新生活を始めるための資金を貯めようとする。
一方の大崎奈々は、一匹狼のパンクボーカリストで、音楽で成功したいという強い思いに突き動かされている。バンドのベーシストである本城蓮との情熱的な関係は突然終わり、彼女は失恋するが、それでも認められるアーティストになるという夢を追う決意を失わない。逃げるのではなく、自分のやり方で未来を築く覚悟を抱いて東京へ向かう。
思いがけない偶然が二人の奈々を再び引き合わせ、やがて同じ屋根の下で暮らすことになる。そこから彼女たちは、恋愛、野心、都会での生活の不確かさに向き合いながら、互いの日々に欠かせない存在となり、支えや率直な言葉、安定感をもたらしていく。『Nana』は、苦悩と並行して育まれる二人の友情を描き、二人がまだ自分の居場所を見つけようともがく世界の中で、共有するアパートを小さな避難所として位置づけている。