メビウスダストは、2000年2月29日、メビウス隕石の一群が地球へ落下した「2.29」後の世界を描く作品である。この出来事によって、空気中に溶け込み、「ラムズ」と呼ばれる奇跡を引き起こし、一部の人間を「ラムズ・キャリア」へと変える物質メビウスダストがもたらされた。この現象は人々の日常を一変させる一方で、日本社会に走る亀裂をいっそう鋭く浮かび上がらせる。経済格差は拡大し、反感は先鋭化し、その後に到来した不平等な世界を拒む人々の中からテロリズムが生まれていく。
これに対し、警察はそうした攻撃に対抗するための特殊部隊を創設し、あわせて将来の隊員を育成する学校を設立する。アラキ・トモリ、妹のステラ・トモリ、幼なじみのオルガ・シラトリは、並外れた力が恐怖や統制、政治的暴力と不可分になったその変貌後の社会のなかで成長していく。彼らの人生は、ラムズを研究するシンリ・ユダ教授や、カイ・キナミ、ショウセイ・イソラ、ハルト・カガリ、クルス・コトブキ、スピカ・コトブキ、ケイ・ツルギら他の若者たちと交錯する。訓練、忠誠、そして能力が試されるなかで、本作は、奇跡によって生まれた力と、それが残した不安定さに形づくられた一世代を描く。