マーズレッドは1923年の東京を舞台とし、アスクラと呼ばれる闇市場の血液製剤が吸血鬼の活動を急増させ始める物語である。違法取引が首都に広がるなか、軍は吸血鬼のみで構成された極秘の対吸血鬼部隊「コードゼロ」を編成し、前田義信大佐の指揮下に置くとともに、中島宗之助中将が作戦を監督する。
影で活動するコードゼロには、アスクラの供給源を突き止め、秘密と恐怖によってすでに分断された都市に危機が波及するのを食い止める任務が課せられている。隊員たちは、不安定な力、分かたれた忠誠心、そしてかつての人間としての生活と、今や自らが背負うアイデンティティとのあいだにある落ち着かない距離に向き合いながら、互いに頼らなければならない。マーズレッドは軍事アクション、ゴシックホラー、政治的陰謀を融合した作品だが、実際の緊張感は捜査そのものから生まれる。手がかりの一つ一つが首都にかかる圧力を深め、一歩進むごとに、義務、生存、忠誠の境界はより脆く感じられるのである。