『ラブひな』は、幼いころに「東京大学に合格して、昔出会った少女と再会する」と約束した浦島景太郎を描く作品である。20歳になった景太郎は、大学入試に2度失敗し、恥ずかしさと決意のあいだで揺れ、自分が夢を追っているのか、それとも記憶にすがっているのか分からずにいた。気持ちを新たにすれば勉強に集中できると考え、祖母の営む宿へ向かうが、そこでひなた荘が女子寮になっていることを知る。
そこで景太郎は、まったくタイプの異なる5人の住人たちと日常を共にすることになる。東京大学を目指す鋭敏で野心的な成瀬川なる、気ままな一面を持ついたずら好きのフリーライター・紺野みつね、活発で騒動を巻き起こすのが得意なエンジニアのカオラ・スゥ、居場所を探している内気な前原しのぶ、そして彼の突然の来訪を快く思わない真面目な剣道家・青山素子である。最初の印象は決して歓迎的ではないが、景太郎はやがてこの建物の管理を任され、少しずつこの家の一員となっていく。
恋愛やすれ違い、性格の衝突が積み重なるなかで、『ラブひな』は、幼いころの約束を守ろうとする青年の物語と、成長していくことの複雑さを、コメディを交えて描いている。