『これ描いて死ね』は、伊豆大島で暮らす高校一年生のアイ・ヤスミを主人公とする作品である。彼女にとって漫画は何よりも大切な存在であり、長年追いかけて敬愛してきた漫画家・星のレイがコミティアに出展すると知ると、自分に大きな影響を与えたその作者に会いたい一心で東京へ向かう。だが、ささやかな旅として始まったその出来事は、思いがけない出会いをきっかけに、漫画を作るという厳しい現実へと彼女を引き込み、人生の転機となっていく。
漫画家になるにはどうすればよいのかを考え始めたアイは、自分では理解しているつもりだった創作の世界について、なお学ぶべきことがいかに多いかを知る。情熱だけでは足りず、一ページごとに異なる難しさがあり、媒体への愛情と同じくらい、好奇心と決意、そして地道な積み重ねが重要なのである。レイ・テシマのような人物たちとの関わりとともに、『これ描いて死ね』は、アイが自分自身の物語を生み出そうとする最初の確かな一歩を描き、漫画制作の世界へ足を踏み入れる高揚と苛立ち、そして憧れを実践へと変えていく過程をたどっていく。