『君は放課後インソムニア』は、不眠に悩まされて夜を十分に眠れず、日中は倦怠感と苛立ちに覆われがちな高校生・中見丸太を中心に描く作品である。学校では少しでも仮眠を取れる静かな場所を探しており、周囲からは鋭い気性と人を寄せつけない態度ばかりが目立っている。一方、同じ学校の廊下の向こうにいる曲伊咲は、明るく社交的で親しみやすく、丸太とは対照的に見えるが、彼女もまた自分の睡眠障害を周囲に隠している。
二人が出会うのは、かつて学校の天文部が使っていた廃天文台である。忘れられたその部屋は、やがて二人にとって秘密の避難場所となる。そこで丸太は眠っている伊咲を見つけ、二人は互いの中に、休めないことから生じる同じ苛立ち、孤独、疲労を見いだす。天文台を共有するようになるにつれ、ぎこちない友情は次第に、より穏やかで意味のあるものへと育っていき、二人はそこで率直に語り合い、心身を休め、学校生活のさまざまな重圧にともに向き合う場所を得る。