『きみと、波にのれたら』(Ride Your Wave)では、向水ひな子は海沿いの街で暮らす活発な大学生として描かれる。将来の明確な目標よりも、サーフィンと海に強く惹かれている彼女の日常は、花火の事故で住んでいたアパートが炎上したことをきっかけに一変する。そこで彼女を救ったのが、冷静で頼りがいのある消防士、雛罌粟港であり、その落ち着いた存在はひな子に深い印象を残す。二人はすぐに親しくなり、ひな子は人を救おうとする港の姿勢と、彼の行動すべてを支える揺るぎなさに心を奪われる。一方の港もサーフィンに興味を抱き、ひな子からその技術を学ぼうとする。
ひな子が港に波の乗り方を教えるなかで、二人の絆は穏やかで献身的な恋へと深まっていく。しかし、二人を結びつけた同じ海は、幸福がいかに脆いものであるかもひな子に思い出させる。サーフィン中の出来事によって彼女の人生が突然揺らぐと、ひな子は不確かな未来と、自分が何になりたいのかという問いに向き合わざるを得なくなる。港がそばにいるなかで、ひな子は自分自身の進む道を探し始め、前に進むこと、変化を受け入れること、そして自分なりに波に乗っていくことを学んでいく。