『純情ロマンチカ』は、同じ世界観の中で展開する3つのボーイズラブ・ロマンスを描く作品である。中心となるのは高校生の高橋美咲で、ある日帰宅すると、兄がベストセラー作家で兄の親友でもある宇佐見秋彦にまさぐられている場面を目にする。宇佐見が美咲の家庭教師となったことで、美咲の不信感はいっそう強まるが、作者の最新のボーイズラブ小説を偶然見つけたことをきっかけに、ぎこちない距離は少しずつ、より複雑なものへと変わっていく。
第2の物語は、大学で古典文学を教える教授であり、秋彦の友人の一人でもある上條弘樹を中心に描かれる。彼はつらい失恋から立ち直れず、精神的に限界寸前の状態にあった。そんな中、近々の試験のために助けを求めてきた学生・草間野分と出会う。弘樹は何度も断るが、やがて家庭教師を引き受け、2人は互いのことを少しずつ知っていくようになる。
第3のロマンスは、裕福な少年・高槻忍を追う。忍は、姉が弘樹の同僚である宮城庸と離婚したことを知るが、3年前に強盗から自分を救ってくれた相手が宮城だったため、彼と付き合いたいと考える。しかし宮城は忍にまったく関心を示さず、遠ざけようとする。それでも忍は、これは運命の関係だと信じて疑わず、諦めようとしない。
こうして結びついた複数のカップルを通して、『純情ロマンチカ』は、コメディ、切なさ、メロドラマを3つの異なる恋物語として描き出し、それらが一体となってシリーズの特色を形作っている。