『薄桜鬼』は1864年の日本を舞台とし、雪村千鶴が男装して家を出て、行方不明の父・綱道を捜すため京都へ向かう物語である。綱道は仕事でしばしば家を空ける医師であるが、何か月ものあいだ便りをよこさず、千鶴は自ら父を捜しに行くほかなかった。京都で身を潜めようとした彼女は浪士たちに目をつけられ、正気を失った白髪の襲撃者たちが彼らを惨殺するという凄惨な光景を目の当たりにする。千鶴が逃げ出す間もなく、新選組隊士たちが現れてその化け物たちを斬り伏せ、彼女を縛り上げて屯所へ連れ帰る。そして、彼女を生かしておくべきか、それとも永久に口封じをするべきか判断しかねるのである。
やがて千鶴が父の名を明かすと、新選組もまた綱道を捜していたことがわかり、彼女を保護することになる。土方歳三の指揮のもと、沖田総司や斎藤一らが前線に立つ新選組は、千鶴にとって拠り所であると同時に、次第に広がっていく謎へとつながる存在にもなっていく。綱道は、彼らが当初認めていた以上に新選組と深い関わりを持っており、京都に政治的緊張が広がるなかで、千鶴は新選組とその敵対者たちの狭間に巻き込まれていく。本作は、千鶴が新選組の戦いや白髪の男たちをめぐる秘密へとさらに深く引き込まれていくなかで、幕末の動乱、恋愛、そして超自然的な謎を織り交ぜて描いている。