『繰繰れ!コックリさん』は、自らを人形だと称する一松こひなを中心に描く作品である。静かで何事もない彼女の生活は、狐の霊・コックリさんを呼び出した瞬間から奇妙なものへと一変する。伝承におけるコックリさんは、あらゆることを知り、呼び出した者の問いに答え導く存在とされるが、現代では信仰する者を失って力も衰え、人々が思い描く神秘的な姿とは程遠い。
そんな彼の前に現れるのが、奇妙で孤独な少女・こひなである。彼女は一人暮らしで、食生活もカップ麺ばかりに見える。こひなの生活ぶりに衝撃を受け、身を案じたコックリさんはそのまま居つき、彼女の日常を引き受けることを決める。きちんとした食事をとらせ、まともな暮らしを送らせようとするのだ。こうして始まったちぐはぐな共同生活は、コックリさんが心許ないながらも世話役として奮闘し、相変わらず風変わりなこひなに振り回される、気まずくも滑稽で、どこか温かい出来事の連続となっていく。狐の霊と彼を呼び出した少女が共有する不安定な日常を軸にした、奇妙なコメディである。