「Anyway, I'm Falling in Love with You.」は、西野瑞穂を中心に描かれる。彼女のありふれた学校生活は、昔から最も近しい存在だった4人の幼なじみが、次第に彼女の人生の安全な中心というよりも、戸惑いの源のように感じられるようになるにつれて変わり始める。慣れ親しんだ日常の心地よさは、ぎこちない沈黙、言いかけの会話、ささいなすれ違いへと変わり、どんなやり取りにも意味が込められているかのように感じさせる。
共有された思い出や日々のやり取りが積み重なるなかで、瑞穂は名づけるのが難しい感情と向き合わざるを得なくなる。彼女の周囲には誰よりも自分を知る人々がいるが、その近さは友情、好意、恋愛のあいだにある距離をいっそう際立たせる。かつては揺るぎないものに思えた関係も不確かになり、言ってはいけないことを口にしてしまうこと、あるいは何も言えないことへの不安が、それぞれの絆に重くのしかかる。
劇的な展開を追うのではなく、本作はためらい、脆さ、そして成長していくことの重圧にじっくりと寄り添う。4人の幼なじみが、自分たちの抱く思いが変化のなかでも持ちこたえられるのか、それとも恋へ向かう最初の本当の一歩によって彼らを形作ってきた絆が永遠に変わってしまうのかを見つめる、繊細な恋愛作品である。