『ブルーピリオド』は、頭は良いがまだ満たされていない高校2年生・矢口八虎を中心に描く物語である。渋谷の鮮烈な景色を目にしたことをきっかけに、彼は自分の感情をキャンバスにぶつけるようになる。最初は私的な試みとして始まったその行為は、やがて本格的な目標へと変わり、超難関の東京藝術大学への進学、そして才能は生まれつき固定されたものではなく、努力、規律、粘り強さによって身につけられるのだと証明することへとつながっていく。
八虎が美術の世界に足を踏み入れるにつれ、『ブルーピリオド』は、基礎から技術を学ぶことの重圧や、才能ある同級生たちとの対峙、そして本格的な経験の少ない分野に入ることで生じる自己不信を描き出す。また、学校や家庭からの期待と折り合いをつけながら、両親の理解を得なければならず、スケッチや課題の一つひとつが、彼の覚悟を試す新たな試練となる。作品はこの葛藤を、芸術を通じて自己を見いだしていく青春物語へと昇華しており、その小さな突破口の一つひとつが、生来の才能と同じくらい重要な意味を持つ。