『BLACKFOX』は、未来都市の一角にひそかに暮らす一族の家で、祖父・兵衛のもと忍の道を叩き込まれて育った16歳の石動律花を主人公とする物語である。律花は、著名な研究者である父・アレンを敬愛しており、彼の最新の研究は、人工知能を搭載し、卓越した技術性能を備えた最先端のドローン群を生み出していた。アレンはそれらを民生用として開発するつもりであったが、その技術をはるかに危険なものと見なす者たちもいた。
その脅威は、律花の誕生日に石動家へと及ぶ。準軍事組織がドローンを求めて家に押し入り、襲撃によってアレンと兵衛は命を落とす。律花は機体を抱えて逃げ延びるものの、自らの人生を形作ってきた二人を同時に失った心の傷を負うことになる。数か月後、彼女は私立探偵として働き、メリッサとアパートを共有しながら、平凡な少女の日常の中に身を隠している。しかし夜の帳が下りると、祖父の狐面を身に着け、襲撃の首謀者たちを追い始める。あの日から抱え続ける怒りに突き動かされ、律花は忍としての鍛錬、父の残した技術、そして自身の意志のすべてを、家族を殺した者たちに裁きを受けさせるというただ一つの目的へと注いでいく。