『アポカリプスホテル』は、西暦2157年の東京・銀座にある高級ホテル「銀河楼ホテル」を舞台とする作品である。文明が崩壊して久しい世界にあっても、同ホテルでは高度なホテルマンロボットたちが、なおも最高水準のおもてなしを提供し続けている。地球の大気が有毒化したことで人類は地球を離れ、街も、かつて賑わいを見せた一帯も静寂に包まれたため、このホテルを訪れる者は何十年ものあいだ現れていない。それでもホテルは、次の宿泊客が今にもチェックインしてくるかのように営業を続けている。
その日常の中心にいるのが、ロボットの「代理代理支配人」ヤチヨである。ヤチヨは機械の仲間たちとともに、ホテルを万全の状態に保つべく、来る日も来る日も休みなく働いている。長い年月のなかで、多くの従業員は修理や補充の見込みもないまま機能を停止しており、日が過ぎるごとに、残されたスタッフは消え去った世界の管理人のような存在となっている。ホテルを取り巻く面々には、ポン子、ドアマンロボ、環境チェックロボのほか、最後に交わした約束が今なおヤチヨの仕事を導く、不在のオーナーがいる。ヤチヨは、オーナーが去る前に交わした誓いのとおり職務を忠実に果たし続け、いつの日か人類が地球へ戻り、自らも再びオーナーと会えることを願い続けている。